依存症の治療にはコミュニティが必要【ラットパーク実験より】

addiction community

こんにちは、あさのんです。

新型コロナウイルスが心配です。
どこまで広がるのか、毎晩ニュースやYoutubeを見てチェックしています。
YoutubeでWuhanで検索すると海外の報道を見ることができます。
国内よりもリアルな映像があり、現地の悲惨さが伝わってきます・・・。

今回は依存症について考察します。

依存症といえばアルコールや薬物をイメージする人が多いかもしれません。
でもゲーム依存、恋愛依存、ギャンブル依存、摂食障害なども依存症の1つとされています。

依存症も心の病の1つです。
その原因には複数の要因がからんでいると思いますが、ラットパークという実験が1つのヒントを与えてくれます。今回はラットパーク実験について簡単に触れて、依存症の原因を考察します。

【結論】依存症の原因の1つとして環境や孤立が考えられます。そして治療にはコミュニティが必要です。

解説しますね。

依存症の治療にはコミュニティが必要

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僕は1年前、依存症の治療機関で臨床実習を受けたのですが、依存症の相談にはよく家族の方がきていました。その家族の方々に対してグループミーティングをしていたときに、ある心理士の先生がラットパークの話をしていました。とても興味深い内容でした。

ラットパークで調べればすぐに情報が出てくるので、詳しい内容を知りたい人はググってみてくださいね。

ラットによる薬物依存の実験

ラットパークの実験を簡単に説明します。

32匹のラットを16匹ずつ別々のグループに分けます。そして、あるグループは1匹ずつ狭い檻の中で孤立させてストレスフルな環境に、もう片方のグループは広々とした場所(ラットパーク)に集団で住まわせ、簡単に交流できたり、遊べたり、巣を作ったりできる環境におきました。

どのラットにも普通の水と依存性物質(モルヒネ)の入った水の2つを飲めるようにします。そしてしばらく放置しながらどちらの水を飲むかを観察します。

ラットパーク実験の結果【孤立すると依存する】

この実験の結果はわかりやすいです。

孤立させられたラットはモルヒネ入りの水を飲み続けました。
そしてラットパークにいたラットはモルヒネ入りの水があったとしても、それを飲まずに普通の水を飲みました。

また、孤立させられて薬物依存症になったラットを1匹だけラットパークに入れたところ、他のラットと交流し、離脱症状(痙攣など)を起こしながらも普通の水を飲むようになったと報告しています。

この研究を行ったアレクサンダー博士は薬物依存症は生活環境が原因で引き起こされると結論づけました。

生活環境・孤立が依存症の原因

ラットパークの実験で明らかになったのは薬物依存は環境が影響するということです。孤立させられたラットは依存症になり、コミュニティのあるラットは依存性物質があったとしてもそこに行こうとはしませんでした。

しかし、これはラットに限らず人間にも当てはまると考えられます。

孤立は人を病気にさせます。人も同じように孤立して目の前に酒があったら飲み続けると思います。そして仮に依存性物質がなかったとしても身体を傷つけたり、鬱になったりと違った症状が出てくると思います。

ゲーム依存のリスク要因の一つに孤独があるという研究者もいました。
ストレスや孤独感を満たすためにゲームに没頭すると報告している研究者や、ソーシャルサポートが少なかったり、両親による適切なケアが行き届いていない子どもはそうでない子どもよりも依存傾向が強いと報告している学者もいます。

人と人との関係性、コミュニティが人の心に大きな影響を与えるのは間違いないと思います。

コミュニティの質が大切

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家族がいたり、友達がいたとしても依存症になる人はたくさんいます。
アルコール依存、ゲーム依存、摂食障害など、色んな方を見ましたが、妻や子ども、お父さん・お母さんがいても依存症になっています。

ラットは物理的に孤立させた結果薬物依存になりました。人間の場合は近くに人がいたとしても、心理的に孤立すると依存症になると考えられます。

人間関係の質がすごく大切だと感じています。
自分を出せる関係性。
一緒に笑い、一緒に泣ける関係性。
頼ることのできる関係性。
人を裁くのではなく、その人を理解し、大切にしあう関係性。

表面的にはコミュニティに所属しているように見えても、心理的には孤立していて、その影響として依存症になっていると考えられます。

孤立・孤独感の影響は大きいです。

コミュニティはこれからのキーワードになってくると思います。
自分を大切にできる環境、自分を表現できるコミュニティが今後広がっていくことを願っています。

そして互いに大切に思いあえる本当のコミュニティを増やしていく手助けができたらいいなと思っています。